葛飾区立石不動産屋 株式会社福寿アセットの小泉賢修(こいずみ けんしゅう)です。
前回は「相続した自宅の残置物処分」についてお話をいたしました。
本日は「知らないと損をする不動産譲渡所得税について」というテーマでお話させていただきます。
不動産の売却は、相続した不動産や生活環境の変化など、多くの人にとって重要な場面です。
しかし、不動産を売却する際に、実は多くの税金を支払う可能性があることを知らない人が多いです。
今回は、この不動産譲渡所得税についてどのように税金がかかるのか確認していきましょう。
※前提として、控除を受ける際には様々な要件が複雑に絡みます。こんなはずじゃなかった。と思い違いせぬように必ずお近くの税務署や税理士などにご自身の場合はどうなのか確認ください。
◾️不動産譲渡所得税とは何か
不動産譲渡所得税は、不動産の売却によって得られた利益に対して課税される税金です。
そして、売却して得られた利益は不動産以外の経費とは合算出来ないものになります。
◾️不動産譲渡所得税の計算方法
不動産譲渡所得税の計算は、売却益から不動産の取得費と売却にかかる費用を差し引いた金額に対して行われます。
以下の費用が経費として計上できます。
・土地や建物を売るために支払った仲介手数料
・印紙税で売主が負担したもの
・貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
・土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額
・既に売買契約を締結している資産をさらに有利な条件で売るために支払った違約金
※これは、土地などを売る契約をした後、その土地などをより高い価額で他に売却するために既契約者との契約解除に伴い支出した違約金のことです。
・借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など
◾️不動産の取得費が分からないときは
相続で先代の不動産を売却するとき、いくらで不動産を取得したか分かる契約書があるかどうかが非常に重要になります。もし契約書がない場合、売却後に多くの税金を支払う可能性が高くなります。
例として、不動産を5000万円で売却した場合でどの程度差があるか考えてみましょう。
・取得費が4000万円の契約書がある場合
5000万円の売却利益に対して、4000万円の取得費と上記にある経費がありますので、5年超で保有している不動産であれば、おおよそ100万円〜200万円ほどの税金で済みます。
・取得費が分からない不動産の場合
取得費が分からない場合、売却した利益の5%を取得費として計上します。5000万円で売却したのであれば、取得費は250万円となります。この場合、売却した金額のほとんどが利益となり、5年超で保有している不動産であれば、800万円〜900万円ほどの税金がかかる可能性があります。
売却に必要な経費は概算になりますが、取得費の有無で譲渡所得税が大きく変わってしまうことがお分かり頂けると思います。
◾️所有期間により税率が変わる
不動産売った年の1月1日時点で保有期間が5年を超える場合は「長期譲渡」、5年以下の場合は「短期譲渡」になります。少し分かりにくいかもしれませんので、期間によって税率が違う事だけ覚えて頂ければと思います。
税率は
5年超は税率20%(所得税・住民税)
5年以下は税率39%(所得税・住民税)
となります。
◾️相続で受けた不動産の所有期間はどうなる?
相続が原因で引き受けた不動産の所有期間はどう考えるのでしょうか?
この場合は、相続発生前の人の保有期間で考えます。
いかがでしたでしょうか?本日は「知らないと損をする不動産譲渡所得税について」というテーマでお話させていただきました。次回は空き家を売却した時の特別控除など、特例によって受けられる節税知識についてお話いたします。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。