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借地の相続について

カテゴリ:相続

こんにちは。

葛飾区立石不動産会社の株式会社福寿アセットの小泉賢修(こいずみ けんしゅう)です。前回は「意外と知らない相続放棄の手続き」についてお話をいたしました。本日は「借地の相続について」というテーマでお話しさせていただきます。

 

■そもそも借地権とは?

借地権とは、他人の土地を借りて建物を建てるための権利です。土地を購入するのではなく、借りることで建物を建てることができるのが借地権です。そのため、土地の所有権は地主にあります。


■借地権と所有権の違い

借地権は他人の土地を借りて建物を建てるための権利です。一方、所有権はその土地や建物を完全に自分のものにする権利です。借地権は借りる権利であり、土地の所有権は地主にあるという点で異なります。


■借地権の種類

借地権にはいくつかの種類があります。それぞれについて説明します。


・普通借地権

普通借地権は、契約を更新することができる借地権です。基本的には30年間の契約期間があり、契約が満了すると更新が可能です。更新するたびに更新料を支払うことが一般的です。


・旧借地権

旧借地権は、平成481日以前に設定された借地権です。旧借地権は、普通借地権よりも借地人の権利が強く、地主の立場が弱い傾向があります。契約期間は建物の堅固性(けんこせい)により異なり、堅固な建物(コンクリート造、重量鉄骨造など)は60年、非堅固(木造や軽量鉄骨造)な建物は30年です。


・一般定期借地権

一般定期借地権は、契約期間が満了すると更新ができない借地権です。契約期間は50年以上と長いですが、期間が終了すると土地を更地にして地主に返還する必要があります。


・借地権の相続は出来るのか?

借地権は相続の対象となります。相続では、亡くなった人の権利や義務を相続人が引き継ぎます。借地権もその一部として相続されます。


・借地権の相続に地主の許可は必要?

借地権を相続する際、地主の許可は必要ありません。土地の賃貸借契約書の名義を変更する必要もなく、地主に対して相続によって借地権を取得したことを通知するだけで十分です。


・法定相続人以外への遺贈は地主の許可が必要?

亡くなった人が法定相続人以外に遺言で借地権を譲る場合は、地主の許可が必要です。また、その際に譲渡承諾料を支払う必要があります。承諾料の相場は借地権価格の10%程度です。


・相続した借地権の売却できるのか?

相続した借地権を売却することも可能ですが、売却には地主の許可が必要です。許可を得ずに売却すると契約違反となり、契約が解除される可能性があります。承諾料の相場は借地権価格の10%程度です。


・相続後の建物の建て替えは可能?

相続後に建物を建て替える場合、契約条項を確認し、増改築が制限されていないかを確認することが重要です。制限がある場合は地主の許可が必要で、許可が得られない場合は裁判所に許可を求めることもできます。


■借地権の相続手続き

通常、借地上の建物の名義変更を行い、相続によって借地権を取得したことを地主に通知すれば十分です。ただし、借地権が登記されている場合は名義変更が必要です。


■借地上の建物の名義変更の流れ

借地権付き不動産を相続する際は、まず不動産全部事項証明書を取得し、相続人が誰になるかを決定します。その後、遺産分割協議書を作成し、法務局に名義変更の申請を行います。手続きが煩雑な場合は司法書士に依頼することも検討しましょう。


■名義変更の必要書類

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 被相続人の住民票の除票もしくは戸籍の附票
  • 相続人の住民票もしくは戸籍の附票
  • 遺産分割協議書もしくは遺言書
  • 相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書を作成する場合)
  • 固定資産税評価証明書

■書類取得や手続きにかかる費用の目安

書類取得にかかる費用の目安は以下の通りです。

  • 戸籍謄本:1450
  • 除籍謄本・改製原戸籍:1750
  • 住民票・戸籍の附票:1300

手続きにかかる費用の目安は以下の通りです。

  • 建物所有権の名義変更に関する登録免許税:固定資産税評価額×0.4%
  • 借地権の名義変更に関する登録免許税:固定資産税評価額×0.2%

※司法書士に手続きの代行を依頼する場合は、司法書士費用が別途かかります。


■借地権にも相続税がかかるのか?

借地権の相続も相続税の対象です。普通借地権の相続税評価額は土地の路線価の39割で定められます。評価額が高額な場合、納税資金対策が必要です。


■借地権を相続する上での注意点

・借地権を兄弟で共有するのはトラブルの元

借地権や建物を兄弟で共有することもできますが、共有にすると売却や建て替えの際に全員の同意が必要となり、トラブルの原因になります。単独で相続する方が望ましいです。


・地主とのトラブルを避ける方法

地主の許可が必要な場合や承諾料が発生する場合があります。建物の現況を変える場合、事前に地主の許可を得ることが重要です。相続をきっかけに地代の値上げを要求されることもありますが、法的に応じる必要はありません。ただし、少額であれば応じる方がトラブルを避けられる場合もあります。


■借地権の相続についてよくある質問

Q. 借地権は相続放棄できますか?

借地権は他の相続財産と同様に相続放棄が可能です。ただし、相続放棄をすると他の遺産も相続できなくなるため、慎重に判断する必要があります。


Q. 借地に固定資産税はかかりますか?

借地権付き一戸建ての場合、借りている土地の固定資産税は地主が支払いますが、借地料を支払う必要があります。建物は所有しているため、固定資産税を支払う必要があります。


Q. 借地権を中途解約できますか?

借地権の中途解約は原則認められていませんが、契約期間満了時に更新しない旨を通知することが可能です。地主と合意すれば中途解約も可能です。


まとめ:借地権の名義変更は専門家に相談を

名義変更手続きは複雑なことが多いため、相続に強い専門家に相談することが望ましいです。借地権の売却や建替えに関するご相談は弊社にお任せください。


いかがでしたでしょうか?

本日は「意外と知らない相続放棄の手続き」というテーマでお話させていただきました。最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

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