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金利上昇による不動産市場の影響とは?

カテゴリ:相続

こんにちは。

葛飾区立石の不動産屋 株式会社福寿アセットの小泉賢修(こいずみ けんしゅう)です。本日は少し相続とはテーマが違いますが「金利上昇による不動産市場の影響とは?」というテーマでお話しさせていただきます。

住宅ローンにも影響がある内容なので、直接関係する人も多いないようですので、ぜひ最後まで読んでいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

 

■金利上昇が及ぼす不動産市場について

20251月下旬に、日銀は長らく続いた低金利政策から脱却し、政策金利を引き上げる方針を示しました。これは、日本経済全体に大きな影響を及ぼす要因の一つとなりますが、不動産市場にとっても大きな転換点となります。

本記事では、金利上昇が不動産市場に与える影響について詳しく解説し、今後の見通しについても考察します。


1. 金利引き上げの背景

日銀は、長期にわたる超低金利政策を維持してきましたが、物価上昇(インフレ)や国際的な金融環境の変化を受け、金利引き上げの決断に至りました。直近の政策金利の誘導目標は、無担保コール翌日物金利を0.25%から0.5%へと引き上げるものであり、約17年ぶりの高水準となります。

この決定により、金融市場全体に影響を与えることは間違いなく、住宅ローン金利や不動産投資にも波及することが予想されます。さらに、為替市場にも影響を与え、円高や円安の動きが不動産市場に連動する可能性もあります。特に海外投資家の動向が変化することで、日本国内の不動産需要にも変動が生じるかもしれません。


2. 金利上昇が不動産市場に与える影響

2.1 住宅ローン金利の上昇

住宅ローン金利は政策金利と密接に連動しています。政策金利が上昇すると、金融機関が設定する住宅ローンの金利も上昇し、住宅購入を検討している人々の負担が増えます。

特に影響を受けるのは「変動金利」でローンを組んでいる人々です。日本では住宅ローン利用者の約7割が変動金利を選択しており、金利が上昇すると毎月の返済額が増えることになります。

一方で、「固定金利」を選択している場合は、契約時の金利が維持されるため、影響は限定的ですが、新規に固定金利でローンを組む場合は、高い金利が適用されることになります。

また、金利上昇は住宅の売買スピードにも影響を与えます。購入希望者が減ることで売却までの期間が長くなり、売り手が値下げを余儀なくされるケースが増える可能性があります。

2.2 不動産価格の下落圧力

金利が上昇すると、住宅購入者の資金調達コストが上がるため、住宅需要が減少します。特にローンに依存する層が購入を控えるため、市場全体での取引量が低下し、不動産価格に下落圧力がかかる可能性があります。

特に影響を受けるのは、

  • 需要と供給のバランスが不安定な地方の不動産
  • 投資目的で保有されている賃貸マンション
  • 新築住宅の売れ行きの鈍化 などです。

逆に、都心の人気エリアや希少性の高い物件については、金利上昇の影響が限定的である可能性があります。

2.3 投資用不動産の利回り低下

不動産投資においても、金利上昇の影響は無視できません。投資家は一般的に銀行からの借入れを活用して不動産を取得するため、金利上昇により借入れコストが増加すると、投資の採算が悪化します。

これにより、

  • 投資物件の購入意欲の低下
  • 利回りの低下による不動産価格の下落
  • キャッシュフローの悪化 といった影響が出る可能性があります。

また、J-REIT(不動産投資信託)についても、借入コストの増加が配当利回りを圧迫する要因となり、価格下落のリスクが生じるでしょう。

2.4 オフィス・商業不動産市場への影響

企業も金利上昇の影響を受け、借入コストの増加によって、新規のオフィス取得や拡張を抑制する動きが出てくる可能性があります。これにより、

  • 商業施設やオフィスビルの空室率が上昇
  • 不動産価格が下落
  • 店舗賃料の上昇による小売業への影響 といった影響が生じる可能性があります。

3. ジャーナリストと経済学者などのの見解

経済学者やジャーナリストの見解も今回の利上げに関して様々な意見はありますが、大方の人たちは利上げの判断には賛成意見が多いです。。

  • 日本総合研究所の石川智久氏は、「緩やかな利上げの継続が望ましい」と評価。
  • 朝日新聞は、「利上げペースが遅すぎる」として、物価高への対応が不十分であると指摘。
  • 慶應義塾大学の竹中平蔵氏は、「物価上昇を抑制するためには、利上げは不可避」と述べる。
  • 東京大学の吉川洋氏は、「現在の経済環境を考慮すれば、利上げのタイミングは適切」と分析。

4. まとめ

金利の上昇は、不動産市場にとって大きな転換点となり得ます。住宅ローン金利の上昇により住宅購入者の負担が増え、不動産価格には下落圧力がかかる可能性があります。一方で、物価上昇が建設コストの増加や資産価値の上昇を通じて、不動産価格を押し上げる要因となるかもしれません。

今回の利上げは、物価上昇が先行して発生し、その後の金利上昇の政策と取られているため、一概にマイナスの要素ではないと考えられます。市場環境を冷静に見極めることが重要です。

 

いかがでしたでしょうか?

本日は「金利上昇による不動産市場の影響とは?」というテーマでお話させていただきました。最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。

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