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【税制改正】暦年贈与で持ち戻しされない裏ワザについて

カテゴリ:相続

【税制改正】暦年贈与で持ち戻しされない裏ワザについて

 

こんにちは。

葛飾区立石の不動産屋 株式会社福寿アセットの小泉賢修(こいずみ けんしゅう)です。

前回は「身近な遺留分」についてお話をいたしました。

本日は「【税制改正】暦年贈与で持ち戻しされない裏ワザ」というテーマでお話させていただきます。

みなさんは、相続が発生すると暦年贈与したものが3年間持ち戻しになることはご存じですか?この贈与が現在見直しをされることになり、202411日以降の贈与から7年間の持ち戻しとなってしまいます。これは、納税者にとっては単純に不利な改正になりますね。

なので、周りでは「早めに贈与しないと!」とか、「贈与税が発生しても多くの金額を贈与しよう!」と思っている方も少なくありません。しかし、実はこの暦年贈与の持ち戻しが回避できる裏ワザがあるとしたらいかがでしょうか?

 2023年度の税制改正で相続時精算課税制度に新たな非課税枠が登場しました。それは年間110万円までなら贈与税もかからず、贈与税と相続税の申告も不要というものです。しかも相続が発生しても贈与を持ち戻す必要がありません。ここで改めて、今回改正された「相続時精算課税制度」についてご紹介していこうと思います。

 

全体の概要.この制度の対象者は贈与をする人が60歳以上の親か祖父母で、贈与を受ける側は18歳以上の子か孫になります。贈与を受けた者は累計して2500万円まで贈与税がかかりません。2500万円を越えると一律して20%の贈与税は発生します。相続が発生すると相続時精算課税制度を申請した以降の財産を全て持ち戻し、相続財産に加算されます。ただし、202411日以降は相続時精算課税制度を選択されている人は年間110万円以下の贈与は申告が不要となります。そして贈与累計2500万円にも加算されません。申告不要で贈与の累計にも関係ないので、年間110万円以下であれば、贈与税にも相続税にも影響がないということになります。

 

活用例.今後の相続時精算課税制度の活用方法として考えられるものは、

1.病気などで死期が近いと思った方の生前贈与。

  通常の生前贈与の場合は202411日以降、7年間の持ち戻しになってまいります。仮に余命〇年など、死期が近いと思った方は相続時精算課税制度を活用することで、110万円以下の贈与財産の持ち戻しの心配はいりません。注意点としては、110万円を越える財産は何年であろうと相続時に持ち戻しになります。

 

2.2500万円の非課税枠を使い切った後の贈与。

相続時精算課税制度のはいままで2500万円の非課税枠を使い切った後の贈与も全て20%の贈与税が発生し、持ち戻しにもなるので、非常に使いづらいものだったのですが今後は2500万円の非課税枠を使い切った後は110万円ずつ暦年贈与することが可能になります。

 

3.値上がりが予想される財産の贈与

  非上場株式や不動産、金など今後値上がりが予想されるような財産にこの制度を使うことで事前に贈与しやすくなりました。事前に贈与することで、相続が発生した時の評価は贈与をされた時の評価で算出できるので、節税効果が期待されます。今までは相続時精算課税制度を選択すると、暦年贈与が出来なかったのですが、今回の改正により、110万円までの暦年贈与が可能になります。

 

制度の注意点

いいことばかりではなく、制度を使う場合は注意点も知っておく必要があります。

1.年間110万円を越える贈与は贈与税20%の課税と相続時に持ち戻しが必要になる。

2.相続時精算課税制度を選ぶと二度と元に戻せない。

3.適用される年齢や関係性が限定的であること。

 

以上のことが考えられます。

ご自身の場合はどっちを選択するのが良いか分からないという方はぜひご相談ください。

 

 いかがでしたでしょうか?本日は「【税制改正】暦年贈与で持ち戻しされない裏ワザ」についてお話させていただきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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