こんにちは。
葛飾区立石の不動産屋 株式会社福寿アセットの小泉賢修(こいずみ けんしゅう)です。
前回は「不動産売却で潜む5大トラブル」についてお話をいたしました。
本日は「トラブルを避けるために事前に対策しておくべき3つのポイント」というテーマでお話させていただきます。
不動産売却時にトラブルを避けるためには、事前に様々な対策を講じておくことが重要です。個人でできる対策として、以下の3つが挙げられます。
① 安心して信頼できる不動産業者を見つける
② 瑕疵担保責任に関する理解を深める
③ 契約締結前に売買契約書を詳細に確認する
① 安心して信頼できる不動産業者を見つける
不動産売却において最も効果的なトラブル回避策は、安心して仲介を依頼できる不動産業者を見つけることです。
多くの不動産トラブルは、売主と買主との間での情報共有の不足や誤解から生じることが一般的です。不動産業者は本来、売主と買主の円滑なコミュニケーションを支援し、双方が満足する売買契約を促進する役割を果たすべきです。そのため、信頼できる不動産業者を選ぶことは、トラブルを未然に防ぐためにとても大切です。
② 瑕疵担保責任の理解
マンションを売却する際に覚えておくべき重要なポイントは、瑕疵担保責任(契約不適合責任)です。基本的に、このトラブルの多くは、買主が売主に対して請求される流れになります。具体的には、建物に欠陥があるにもかかわらず、売主がそれを買主に告知せずに取引を行い、後に賠償を求められるケースがこれに該当します。瑕疵担保責任の概念を理解しておくことで、売却した不動産に関する損害請求などのトラブルを未然に防ぐことができます。
契約不適合責任とは:契約時に伝えられた内容と異なる点があった場合、売主がその破損に気づいていたかどうかは問題にならず、買主は売主に対して損害賠償などを請求できます。
ちなみに仲介でなく買取の場合は、売主は瑕疵担保責任が免責されます。雨漏りやシロアリ被害、排水管の不備なども瑕疵担保責任に含まれます。売主は売却前に物件全体を注意深くチェックし、買主に対して全ての懸念事項を誠実に伝えることが大切です。
不安な点があれば、不動産業者に相談したり、弁護士などのアドバイスを受けることが望ましいです。瑕疵担保責任(契約不適合責任)に関する最新情報や詳細な事項については、法務省の説明資料を確認してください。
ちなみに、2020年4月に施行された民法(債権法)改正により、契約不適合責任という文言に変更されました。これにより、適用範囲が拡大され、契約解除や損害賠償請求だけでなく、目的物の修補、代替物の引渡し、不足分の引渡しによる履行の追完請求、代金減額請求も可能になりました。従って、不動産売却時にはより一層の注意が必要ですので、事前に理解しておくことが重要です。
参考: 「民法(債権関係)の改正に関する説明資料(法務省民事局)」
③ 契約締結前に売買契約書を詳細に確認する
売買契約書に関しては、契約前に詳細に確認するべきポイントがあります。特にトラブルが発生しやすい項目や、曖昧な表現により不動産業者や買主が有利な条件が生まれることがあるため、契約解除に関する事項を細かく確認することが重要です。
契約解除に関する確認すべき事項は以下の通りです。
・契約解除の期限や解除時の取り決めについての明記
・解約手付に関する内容の記載
・ローンが通らなかった場合に契約が無効となる特約についての記載
契約解除の取り決めについては、「〇月〇日までに建築確認申請の許可が下りない場合は契約解除」といった解約条件の具体的な記載が望ましいです。また、解約手付に関する記載は、「売主から買主への契約解除の際は手付金の3倍、買主から売主への契約解除の際は手付金の放棄」といった具体的な内容があると良いでしょう。
ローン特約に関する記載も確認し、「住宅ローンが否決された場合は契約が成立しないこと」「住宅ローン特約に関する期限」などが記載されているか確認すると良いでしょう。
契約書全体を綿密に確認することは難しいかもしれませんが、契約解除に関する事項は特に重要です。これにより、売主が負うリスクを最小限に抑えることができます。契約から売却までがスムーズに進むことが一般的でも、契約解除が行われるケースもあるため、不動産業者に確認書面でどのような状況で契約解除が行われるのか確認し、買主にも書面で伝え合意を取っておくことが望ましいです。
④ 不動産会社選びのポイント
不動産売却において、弁護士や専門家に相談することと同様に、信頼できる不動産業者の選択もトラブル回避において非常に重要です。不動産業者の選定に際しては、以下の3つのポイントが考慮されるべきです。
1 売却実績が豊富な不動産業者か
2 親身に対応してくれる営業マンか
3 囲い込みを行わないか
④-1 売却実績が豊富な不動産業者か
不動産市場は広範であり、それぞれの不動産業者が得意とする分野が異なります。重要なのは、売却実績の多さだけでなく、その業者が得意とする分野が自身の物件の特性と合致するかどうかです。業者の得意分野を確認するには、ホームページの情報や直接担当者とのコミュニケーションを通じて調査することが役立ちます。売主自身の物件に合った信頼性のある不動産業者を選ぶことが重要です。
④-2 親身に対応してくれる営業マンか
不動産売却は大きな決断であり、不安が伴うこともあります。この際、営業マンとの相性が大きな要素となります。営業マンが親身に対応し、質問や相談に丁寧に応じてくれるかどうかを確認することが重要です。良好な相性があると、売却プロセスがスムーズに進み、納得いく結果を得ることができるでしょう。
④-3 囲い込みを行わないか
囲い込みは売主にとって損失をもたらします。物件が他の媒体に適切に掲載されているか、または他の不動産業者の媒体にも出ているかどうかを確認し、囲い込みを避けることが大切です。情報の透明性が高い不動産業者を選ぶことで、トラブルを回避することができます。
まとめ
不動産売却時のトラブル回避には、信頼できる不動産業者の選定、瑕疵担保責任の理解、売買契約書の事前確認が欠かせません。慎重で冷静な準備を行い、スムーズな売却取引を実現させましょう。
いかがでしたでしょうか?
本日は「トラブルを避けるために事前に対策しておくべき3つのポイント」というテーマでお話させていただきました。最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。