こんにちは。
葛飾区立石の不動産会社、株式会社福寿アセットの小泉賢修(こいずみ けんしゅう)です。
前回は「トラブルを避けるために事前に対策しておくべき3つのポイント」についてお話をいたしました。
本日は「日本の相続税、高すぎる?過払い分を取り戻す方法と納めすぎの理由」というテーマでお話させていただきます。
相続税は、親や親戚から受け継いだ財産に課せられる税金です。日本の相続税率は他国と比べて高く、しかも一度支払った税金は戻ってこないため、多くの人が過剰に支払っていることに気付いていないことがあります。
この記事では、日本の相続税が高い理由や、過剰な支払いが発生するケース、そして過剰に支払った相続税を取り戻す方法について解説します。節税対策を行うためにも、税金に関する知識を深めましょう。
◆日本の相続税は高すぎる?その理由とは
日本の相続税が高いと言われる理由は何でしょうか?その背景にはいくつかの要因があります。ここでは、日本の相続税制度の概要と負担が重い理由について解説します。
・日本の相続税制度の概要
相続税は、親や親戚から受け継いだ財産に課せられる税金です。日本の相続税制度では、財産の金額が高くなるほど税率が上がる「超過累進税率」が適用されています。相続税の対象は、現金や不動産、有価証券、債権など幅広いものが含まれます。また、暦年課税制度により相続開始前3年間(2024年1月1日からは7年間)に贈与された財産も課税対象となります。
相続税は、相続財産から一定の額を控除した上で計算されます。ただし、基礎控除額はバブル期の水準が続いており、相続税の再分配機能が低下していると指摘されています。そのため、平成25年度の税制改正で基礎控除額の引き下げが行われ、税率構造も見直されました。
◆日本の相続税の負担が重い理由
なぜ日本の相続税が重いと言われるのでしょうか?その理由は以下の3つにまとめられます。
1.相続人に対する納税義務
日本では遺産分割後の遺産に相続税が課せられるため、相続財産を多く受け継いだ相続人の納税負担が重くなります。
2.超過累進税制度の採用
日本の相続税は超過累進税率が適用されており、相続する財産が高額なほど税率が上がる仕組みです。法定相続分の取得金額が一定額を超えると、高い税率が適用されます。
3.基礎控除の少なさ
高齢世帯ほど財産が多い傾向があり、日本の基礎控除額だけでは相続税を回避するのは難しい場合があります。
これらの要因が組み合わさり、日本の相続税が重くなっていると言われます。相続税の計算方法や税率を理解することで、納税額を抑えるための対策を考えることが重要です。
◆相続税の計算方法と具体例
相続税の計算方法は、基礎控除額を算出し、その後超過する財産に相続税率を適用することで行われます。以下に、具体的な計算例を示します。
1. 基礎控除額の算出
例として、相続人が配偶者と子ども1人のケースを考えます。この場合、基礎控除額は4,200万円となります。
2. 相続税の計算
相続財産が基礎控除額の4,200万円以下であれば、相続税は発生しません。しかし、基礎控除額を超過する財産がある場合は、その超過額に対して相続税率を適用します。
以下は、相続税の計算例です。
相続財産が1億円の場合:
妻の取得金額:5,000万円 × 20% - 200万円 = 800万円
子の取得金額:2,500万円 × 15% - 50万円 = 325万円
相続税の総額:800万円(妻) + 325万円(子) = 1,125万円
以上の計算から、相続税の総額は1,125万円となります。
速算表を利用した相続税の計算
相続税の計算を行う際には、速算表が利用されます。速算表では、法定相続分に応じた取得金額に対する相続税率と控除額が示されています。これを利用して、相続税の総額を算出することができます。
以上が相続税の計算方法と具体的な例です。相続税は相続財産の金額や相続人の関係によって異なるため、正確な計算が必要です。
◆相続税を払い過ぎた場合の取り戻し方法とポイント
相続税を払い過ぎた場合、日本の税制度では還付制度があります。この制度を利用することで、納め過ぎた相続税を取り戻すことが可能です。以下では、その方法とポイントを詳しく解説します。
1. 申告期限内かどうかを確認する
相続税を払い過ぎた場合の還付申請には、申告期限から5年以内に行う必要があります。相続税の申告期限は相続人が相続を知った日から10カ月後ですが、還付申請の期限はその後5年間です。つまり、相続を知った日から5年以内であれば何度でも還付申請が可能です。還付申請を忘れないようにしましょう。
2. 土地の評価をチェックする
土地の評価は相続税額に大きな影響を与えます。土地の評価は複雑であり、評価額が高すぎる場合、相続税額も過剰になる可能性があります。特に、土地の形状や周辺環境、登記情報との差異などがある場合には、還付申請の対象となる可能性があります。土地の評価に疑問がある場合は、専門家に相談してみましょう。
3. 最新の判例や通達を確認する
相続税の評価は日々変化しています。裁判所の判決や税務署の通達などにより、評価の基準が変わることがあります。過去の判例や通達に基づいて還付申請を行うことで、相続税の評価額を見直すことができます。最新の情報を確認し、適用することが重要です。
◆相続税を納め過ぎる主な理由
相続税を納め過ぎる主な理由は次の通りです。
・認識不足による納付過多
相続税の自己申告制度において、計算ミスや評価の誤りによって相続税を納め過ぎることがあります。税務署は不足分の通知を送ることはありますが、過剰に納めた場合は自ら気づく必要があります。
・土地の評価難度
土地の評価は複雑であり、正確な評価が難しい場合があります。特に土地の形状や周辺環境が評価に影響を与える場合、過剰な相続税を納める可能性があります。
・最新情報を反映していない
判例や通達の変更により、相続税の評価基準が変わることがあります。これらの情報を反映せずに相続税を納めると、過剰な納付が発生する可能性があります。
以上が相続税を納め過ぎる主な理由と、それを防ぐための方法です。相続税の申告や評価は専門知識が必要なため、専門家の助言を仰ぐことが重要です。
いかがでしたでしょうか?
本日は「日本の相続税、高すぎる?過払い分を取り戻す方法と納めすぎの理由」というテーマでお話させていただきました。最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。